2008年6月9日月曜日

Paul_Newman

ハリウッドを代表する俳優のポール・ニューマンさんが肺がんのため入院していることが8日に分かりました。イギリスのサンデー・エクスプレスによると、ニューヨーク市内のがん専門病院で治療を受けているそうで、家族はかなり危険な状態であることも認めています。5月の下旬にアメリカ、インディアナポリスで開催されたインディ500というカーレースに姿を見せましたが、病魔はそのときすでに体をむしばんでいたといいます。家族は外部にがんのことを明かすのを望んでいなかったといいます。昨年の5月にはテレビ番組のインタビューで俳優として一線を退くことを宣言しましたが、近く自宅そばにある劇場の舞台を演出する予定がありました。しかし、それが急に白紙になるなど、ここ6週間の予定がすべてキャンセルされたことから今回の入院が判明したといいます。彼は1925年生まれで現在は83歳です。過去には3度のアカデミー賞をはじめとして多くの受賞歴を持っています。還暦を超えても第一線での映画出演をし続けた彼は、1994年にも「ノーバディーズ・フール」でベルリン国際映画祭などで数多くの男優賞を受賞しました。主な出演作は1956年の「傷だらけの栄光」、1960年の「栄光への脱出」、1961年の「ハスラー」、1966年の「動く標的」、1969年の「明日に向って撃て!」、1973年の「スティング」、1974年の「タワーリング・インフェルノ」、1977年の「スラップショット」、1982年の「評決」、1986年の「ハスラー2」、2002年の「ロード・トゥ・パーディション」などがあります。ここ20年はボランティア活動に力を入れており、彼の著名な活動の一つである「ニューマンズ・オウン」は、運営によって挙げた2億2千万ドルの純利益を全て恵まれない子供に寄付もしており、1993年にはその功績に対してアカデミー賞のジーン・ハーショルト友愛賞が贈られています。2007年には、オハイオ州の母校ケニヨン大に対して、奨学基金の設立資金として1000万ドルの寄付を申し出ました。奨学金は家庭の事情で学費が払えない非白人のマイノリティーの学生らに支給されているそうです。関係者によると、ポール・ニューマンさんは大のたばこ好きで、チェーンスモーカーだったそうです。

2008年6月8日日曜日

Kouichi_Sato

ついに公開がスタートした三谷幸喜監督の映画「ザ・マジックアワー」。この映画に主演した佐藤浩市さんは、30年のキャリアの中、とにかく熱く、とにかく男前の役がおおかったのですが、コメディー映画の今作では見事にイメージを覆しました。この「ザ・マジックアワー」では売れない役者、村田大樹という人物を演じており、この村田大樹は映画の撮影と思い込まされ、伝説の殺し屋を演じるという役どころです。オファーは三谷監督の「THE 有頂天ホテル」から2ヶ月たったあたりで、脚本もできていなかった状態でした。この映画には大きな笑いが起こるシーンがいくつかありますが、佐藤さんがポイントにしていたのがナイフを舐めるシーンです。殺し屋を演じる村田大樹がやくざを挑発して、ペーパーナイフをべろんと舐めるこのシーンを「観るものをストーリーのジェットコースターに乗せる場面」ととらえて考えに考えたそうです。脚本には「ペーパーナイフを猟奇的な顔でなめる村田大樹」と書いてあるだけでしたが、彼の解釈は「猟奇的なほどにおかしい顔」でした。初めて鏡を見て芝居をしたというほどこだわりがあるシーンで、映画の予告でも使われていました。勢いで笑わせる喜劇もあれば、作りこんだ笑いもあるという三谷監督の喜劇の特性をじっくり考えて撮影に挑んだ結果この作品の代表的なシーンに仕上がったといえます。コメディー映画への挑戦は、佐藤浩市さんのイメージを崩すことになります。これまでは、熱く、泥臭く、正論を掲げて戦う男の役が多く、世間ではまさにそう認知されていました。しかし、彼自身は固定されたイメージは嫌いなようで、今回の村田大樹の役でトライさせてもらえる喜びを監督に教えてもらったとコメントしていました。2007年の「スキヤキ・ウェスタン・ジャンゴ」では、強烈な武将、平清盛を演じたのは印象的でした。さらに宮藤官九朗さんがメガホンをとる「少年メリケンサック」にも出演するなど、イメージが覆るような作品が続いているのも確かです。こういった役が楽しめるか、振り回されるかはこれからの問題だそうです。

2008年6月7日土曜日

Erika_Sawajiri

スクリーンで見せる透明感と、マスコミで話題になる威圧感。女優、沢尻エリカさんは2007年は行き過ぎと見なされバッシング行為も受けました。しかし、「クローズド・ノート」では、平凡な女の子の役だからこそ実力が見えたと演技力を再評価する声が多かったのも事実です。この映画も小説が原作ですが、彼女が引っ張りだこの背景に、漫画や小説を原作とした企画が増えて、20歳前後のヒロインを演じる女優のニーズが高まっていることも挙げられます。この年代で主演女優となった宮崎あおいさんや、長澤まさみさんはいずれも漫画や小説が原作の作品に多数出演しています。もうひとつ、売り出す過程でも興味深いことがあります。沢尻エリカさんが所属するスターダストプロモーションという事務所は常盤貴子さん、中谷美紀さん、柴咲コウさんら多数の大物女優が所属していますが、中でも柴咲コウさんのブレイクの系譜には共通点が多いのです。柴咲コウさんは、在日韓国人男性と日本人女性の恋愛を描いた映画、「GO」で評価を得たことで演技派女優としての基盤ができました。その後、リリースしたCDもヒットし、アーティストとしての才能も見せています。沢尻エリカさんも、映画「パッチギ!」で演技派であることを認知させて、ドラマ「1リットルの涙」で知名度が拡大してのブレイク。作品の役名「Kaoru_Amane」でCDデビューしました。音楽関係者も、沢尻エリカさんのアーティストとしての可能性に大きく期待しており、担当したソニーレコーズのチーフプロデューサーは沢尻エリカさんの思わぬ歌の才能に驚いたそうです。レコーディングで何百テイクも重ねる中で、「雨音薫」の声をつかんでからは、寸分たがわずに同じ声で歌い続けたそうです。2007年は、セルフプロデュースした写真集「ERIKA2007」を発表するなど、自分がよりやりたいと思う世界へと進み、アーティスト性の高い路線を深めました。舞台挨拶での態度でバッシングされたことで注目度を高めた今後、どのような方向に向かっていくのか目が離せません。

2008年6月6日金曜日

Takao_Osawa

シリーズ化が決定した話題作、「築地魚河岸三代目」が明日6月7日から公開です。この映画はエリート商社マンが職を捨て、恋人の実家である築地魚河岸の中卸の世界の飛び込んでいくという人気コミックの映画化で、魚河岸で大奮闘する主人公を演じるのが俳優、大沢たかおさんです。敏感な舌を持ち、無類の魚好きという役柄ゆえ、劇中では見事な包丁さばきも披露します。しかし、本人は魚を食べるのは好きだけど、料理はまったく苦手だそうで、この映画のために魚をさばく練習をしたそうです。印象に残ったコメントは撮影を終えて市場から出ると、街行く人々の表情の暗さに驚くことがあったという言葉です。大沢たかおさんは築地にはそれとは正反対の、明るいパワーがあったといい、仕事で悩みを抱えている人に映画を観て熱い気持ちになってほしいと語っていました。彼は東京生まれの俳優で、2004年公開の映画「解夏」で日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞、2006年公開の映画「地下鉄(メトロ)に乗って」では優秀助演男優賞を受賞するほどの実力派俳優です。1987年よりモデルとして活動しており、パリコレにも出演しています。俳優に転向してからは、1995年のドラマ「星の金貨」で注目をあつめ、その後1996年から、ドキュメンタリーとドラマの複合を実験的に行った番組「深夜特急」での経験が評価され、海外での仕事もこなすようになりました。最近ではあまりドラマに出演していない彼ですが、常に年に何本もの映画に精力的に出演しています。有名なのは2001年公開の「リリイ・シュシュのすべて」、2003年公開の「荒神」、同じく2003年公開の「スカイハイ 劇場版」、2004年公開の「花とアリス」、2004年公開の「世界の中心で愛をさけぶ」、2006年公開の「子ぎつねヘレン」、2007年公開の「ミッドナイト・イーグル」などです。今年は明日から公開の「築地魚河岸三代目」と10月から公開の「ICHI」に出演し、来年の2009年には「GOEMON」への出演も決まっています。また演劇でも、世界の蜷川幸雄さんと数多くコンビを組んでおり、舞台活動からも目が離せません。