2008年6月5日木曜日

ACHILLES_AND_TORTOISE

世界のキタノこと北野武監督が「日本人に見てもらえる映画」をコンセプトに新しい映画の撮影をしているそうです。それが、北野武監督の14作目にあたる「アキレスと亀」です。この映画の監督、脚本は北野武さん、出演はビートたけしさん、樋口可南子さん、麻生久美子さんなどです。クランクインは今年の2月、日活撮影所でのセット撮影、都内、千葉、静岡などでのロケを経て、4月下旬にクランクアップを終えました。アキレスと亀のパラドックスを説いた論証と同じタイトルの本作では、田舎の富豪の家に生まれた主人公、ビートたけしさん演じる真知寿の人生が綴られます。絵を描くことが大好きで、時に学校を抜け出し、あるいは線路で列車を止めてまで絵を描く彼を、大人たちは無責任に褒めたたえます。たとえそれが美術好きでパトロン気取りな彼の父へのおべっかだったとしても、幼い彼の心に響きました。こうして少年は画家で成功することを目指します。創作活動に取りつかれたまま年を重ねた、一介の凡人を熱演するビートたけしさんですが、作中では自ら描いた70点以上の絵画が登場するといいます。その青春時代を演じるのは柳憂怜さんです。そして画家としての成功を目指す真知寿はやがて大人になり、印刷工場に就職し、結婚し、父となっても絵を描き続けます。そんな夫を応援する妻の幸子を樋口可南子さんが演じます。そしてそんなある日、真知寿の創作活動が警察ざたを引き起こすというストーリーで芸術家の切なくも哀しい人生が描かれていきます。北野監督のコメントによると、「今回は当たる映画を撮っている。海外では評価を得ているのだけれど、やっぱり日本のお客さんに見てもらいたい。」とこの作品に対する意気込みを語っています。北野監督の代表作といえば、1999年の「菊次郎の夏」、2001年の「BROTHER」、2003年の「座頭市」、2005年の「TAKESHIS'」、2007年の「監督ばんざい」などがあります。果たして世界のキタノは今作ではどんな世界を見せてくれるのでしょうか。また、日本国内での評価を得ることはできるのでしょうか。

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