2008年5月18日日曜日

clone_free

つい1ヶ月ほど前に「食の不安」を掻き立てる事件がありました。4月23日、アメリカから輸入された牛肉の中に、BSEの原因となる「異常プリオン」が蓄積されている可能性がある危険部位が混入していたのです。危険な牛肉は日本には入ってこないという公約があったからこそアメリカからの牛肉輸入を再開したはずでした。しかし、現実にはそんな公約も意味はなく、危険部位は輸入され続けている可能性がでてきたのです。そうはいっても食の安全管理に対する日本政府のずさんさは今に始まったことではありません。しかし、さらに国民の不安を増幅させるような政策がまた行われようとしているのです。それは「クローン牛」です。クローンとは、生物の細胞や受精卵を人為的に操作し、もとの固体と同じような生物をそのままコピーするという技術でこの技術は欧米で研究されていました。この技術の研究は日本国内でも、80年代から牛などの家畜をクローンとしてコピーする試みが続けられてきました。この技術はいまでも研究中の段階であり、たとえ見た目がクローン化できたとしても、その遺伝子的特質がどんなものになるのか、本当に安全なのかは現時点ではだれもわからないのです。それなのに日本政府は間もなくこのクローンでコピーした牛を食肉用としてアメリカから輸入を解禁しようとしているのです。実は一部のクローン牛は、すでに93年に日本でも食肉用として流通していました。クローン牛では聞こえがよくないため、政府は「Cビーフ」などと称して販売していました。このクローン牛は、「受精卵クローン」という技術で作られたクローン牛で、受精卵を操作して分割するという方法でコピーを作ります。もう一つ「体細胞クローン」という技術は受精卵ではなく皮膚や肉の細胞を元にクローンを作る技術です。この2種類のうち日本政府はまず受精卵クローン牛を安全だと言い張り市場に流通させていました。しかし、普通のホルスタインが死産などの割合は5パーセントなのにたいして、受精卵クローンの死産は10パーセント、変死率は25パーセントを超えます。受精卵クローンは双子や三つ子と変わらないという見解だそうですが、人為的に生態系をくずしたものが安全だとは思えません。まずは政策を決定する人が受精卵クローン牛しか牛肉を食べないようにしてみるのが筋だと思いますがいかがでしょうか。おそらくその人は、人一倍牛肉の原産国に対して敏感で、絶対にクローン牛は食べないのでしょうね。

0 件のコメント: