2008年5月12日月曜日

Sarkozy

2007年5月にフランス共和国第6代大統領に就任し、まもなく1年となるニコラ・サルコジ大統領が、支持率が低迷している中、自らのイメージを大きく変えようと図っています。これまで、派手な私生活と尊大ともいえる言動でフランスの政界をリードしていましたが、これからは「謙虚」と「慎み」をモットーとするようです。彼は大統領に当選した直後に地中海に自家用ジェット機とマルタの豪華ヨットを購入し、野党からはあまりにも豪華すぎると批判を受けていました。しかし、政治の手腕はすばらしく、これまでのフランスではかんがえられなかったような画期的な人事を行うなどをして、国民からの支持率は70パーセント台を記録したこともあります。また彼自身が移民2世であり、フランスの人種間の機会を平等にするために大学の入学者枠を人種ごとに設定するアファーマティブ・アクションを導入することを強く訴えています。しかし、共同、時事電などによれば、フランスの各種世論調査では、サルコジ氏の実績を肯定的に評価する声は20パーセント台ととても低く、その原因は私生活の過剰露出と経済政策への不満が大きいようです。サルコジ大統領は4月24日にテレビ各局のニュースキャスターらを大統領府に招き、1時間を越える特番インタビューに応じました。その番組では、サルコジ大統領は国民が抱いている失望感を率直に認め、政権運営の誤りを言及しました。その内容は、税制をめぐる政策の説明のつたなさや、対中国外交などでの政権の内部での意思の統一が欠如していたこと、他には私生活をメディアにさらし過ぎたとされる点についても自分にも責任があったことを認めました。この謙虚なサルコジ大統領を国民が目撃するのは初めてのことで、国民の支持率も回復するかにみえました。しかし、5月に入るとサルコジ大統領は支持率低下の元凶はメディアにあるとフランスの大手新聞社や雑誌などを名指しで批判したことが判明しました。全国記者労働組合は、一連の大統領の発言に「支持率低迷の責任を記者におしつけるよりも、報道の自由についての懸念に耳を傾けるべき」と苦言を呈する騒ぎとなりました。文句のないカリスマ性を持っているサルコジ大統領だけに、今後支持率はどう変わっていくか、また謙虚な姿勢を続けることができるのかが注目されます。

1 件のコメント: