2008年5月17日土曜日

Kenji_Uchida

「内田けんじ」さんは時間軸が行ったり来たりする巻き戻し手法を使ったり、複数の人間の視点で構成する手法で知られる映画監督です。彼は1972年に神奈川県で生まれ、サンフランシスコ州立大学芸術学部映画科で撮影や脚本技術を学びました。2002年に自主製作した「WEEKEND_BLUES」がデビューのきっかけで、その「WEEKEND_BLUES」はぴあフィルムフェスティバルで入賞しました。彼の新作「アフタースクール」が今月の24日に公開されます。展開が進むにつれてぴたぴたと伏線がハマり、謎が解けていく爽快感が見ものです。内田監督は、2005年に「運命じゃない人」という映画をカンヌ映画祭に出品され、4つの賞を受賞して注目され始めました。男女5人の1夜の物語で、それぞれの5人の立場と視点を見せながらストーリーが展開していく独特の手法を用いた映画でした。新作の「アフタースクール」は、時系列を入れ替えてはいないのですが、複数の立場を見せながら物語が進行していくのは内田監督の十八番です。着想から脚本が仕上がるまでに2年もかかっており、本当は1ヶ月で仕上げるつもりだったのに考えに考えに考えて、泣いたこともあったそうです。脚本や構成の仕上げ方は、「ルービックキューブの面をそろえているようなもので、途中までそろえても全てがぴったりとこなければまたそろえたところを壊さなければならない」とかなり苦悩した様子も語っています。ただ、内田監督は、大事なのは映画のあらすじや構成を転がすことではなく、感情移入できるかどうかであるとも語っています。この「アフタースクール」の出だしは、中学教師である「大泉洋」さんが扮する神野という男のもとに、中学時代の同級生だという「佐々木蔵之介」さんが扮する北沢という男がたずねてきます。北沢は同じく同級生の「堺雅人」さんが扮する木村を捜していることを神野に伝えるところから物語が始まります。よくありそうな話だけど、あまりない、斬新なようだけど何処かで聞いたことがあるような出だしですが、ここからどのように物語が進み、どのようにしてエンディングを迎えるのでしょう。あの内田けんじさん監督作品ですから、ありきたりな展開ではないことは間違いなさそうです。

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